海外旅行の準備をする際、この荷物は飛行機に持ち込みできるのか、できないのか、迷うことがありますよね?
航空会社では飛行機に持ち込み制限があるもの、条件付きで持ち込み可能なものなど、ルールが決められています。
この記事では、国際線の飛行機に持ち込みできるものとできないものや、注意が必要な荷物について解説していきます。
事前にルールを把握して、搭乗までの検査をスムーズに行いましょう!
飛行機に搭乗する人は必ず保安検査を受ける
飛行機に搭乗する人は必ず保安検査を受けます。
保安検査とは、ハイジャックやテロを未然に防ぐために航空法に基づいて行われるものです。
保安検査では荷物の中に爆発物や凶器などの危険物がないか、Ⅹ線装置や金属探知機などを用いて検査が行われます。
保安検査で受ける手荷物の種類は「預け手荷物」と「機内持ち込み手荷物」の2種類があります。
- 預け手荷物・・・空港のチェックインカウンターで、スーツケースやキャリーバッグを預ける荷物のこと。
- 機内持ち込み手荷物・・・ハンドバッグやカメラなど、機内に持ち込むことができる荷物のこと。
預け手荷物、機内持ち込み手荷物で制限されるものは異なるので、
ルールを確認することが大切ニャ!
危険物に含まれるもの
危険物は預け手荷物、機内持ち込み手荷物のどちらも持ち込み禁止です。
危険物を飛行機に持ち込むと、航空法違反で2年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。
以下は危険物の代表例です。
危険物 | 例 |
---|---|
高圧ガス | キャンプ用ガス、カセットコンロ用ガス、ダイビング用ボンベ、ライター用補充ガスなど |
引火性液体 | オイルタンク式ライター、オイルライター用燃料、ペンキ・塗料など |
火薬類 | 花火、クラッカー、弾薬など |
可燃性物質 | 徳用マッチ、万能マッチ、炭など |
酸化性物質 | スポーツ用酸素缶、小型酸素発生器、酸素系漂白剤、瞬間冷却剤など |
毒物類 | 殺虫剤、農薬など |
腐食性物質 | 液体バッテリー、水銀、加熱式弁当等、空間除菌剤、塩素系漂白剤など |
その他(条件付きで持ち込み可) | ヘアアイロン、大容量リチウム(イオン)、バッテリーなど |
危険物は上記のほかに放射性物質なども含まれます。
危険物が保安検査で見つかった場合、所有権が放棄され処分することになりますので、絶対に持ち込まないようにしましょう。
注意が必要な荷物
荷物の持ち込みには、特に注意が必要なものがあります。
機内持ち込み不可の荷物でも、預け手荷物には含められる場合もありますので確認していきましょう。
以下は注意が必要な荷物の代表例です。
それぞれ解説していきます。
コードレスヘアアイロン
電池器具の中にはコードレスヘアアイロンのように、電池が中に入っていて取り出せないものがあります。
機内で火災が発生する可能性がありますので、預け手荷物と機内持ち込み手荷物の両方とも持ち込み禁止です。
しかし、以下のタイプのヘアアイロンは、条件付きで預け手荷物、機内持ち込み手荷物のどちらにも含めることができるようになります。
コンセント式ヘアアイロン
コンセント式ヘアアイロンは預け入れ、機内持ち込みのどちらも可能です。
ただし、海外で使うときはコンセントに差すための変圧器や電源交換プラグが必要になります。
ガス式ヘアアイロン
ガス式ヘアアイロンは、炭化水素ガスが充填されたもので、アイロン部分に安全カバーが取り付けられたもののみ、預け入れ、機内持ち込みのどちらも可能になります。
ただし、補充用のガスカートリッジは預け入れ、機内持ち込みどちらも禁止です。
電池式ヘアアイロン
電池を取り外せるものは預け入れ、機内持ち込みのどちらも可能です。
ただし、取り出した電池がリチウム電池、リチウムイオン電池の場合、電池の重さが2gまで機内持ち込み手荷物に含めて良いものとなります。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは預け入れ不可、機内持ち込みは条件を満たすと可能になります。
以下の条件を満たすと、機内持ち込みに含めることができます。
- 容量が100Wh以上160Wh以下(43,243mAh以下)の製品は、2個まで持ち込み可能
- 100Wh以下は複数持ち込み可能
容量が160Wh以上のモバイルバッテリーは、
預け入れ、機内持ち込みのどちらも禁止になるから注意してニャ!
モバイルバッテリーは航空会社によって、持ち込む際に事前承認が必要になることもあります。
事前に利用する航空会社に確認を取りましょう。
モバイルバッテリーの単位「mAh(ミリアンペアアワー)」から「Wh(ワットアワー)」を求める計算式
【Wh = mAh × V ÷ 1000】
モバイルバッテリーはショート防止のため、必ず専用のケースか収納ポーチに入れましょう。
ほかの金属品と分けて袋に入れたり、絶縁テープを貼ることでも対策になります。
リチウム電池、リチウムイオン電池が内蔵された電子機器
ノートパソコンやタブレット、スマホ、カメラなどのリチウム電池、リチウムイオン電池が内蔵された電子機器は、条件付きで持ち込み可能になります。
預け手荷物の条件は、電子機器の電源を必ずオフにすることです。スリープモードは不可になります。
電子機器は衝撃を受けると壊れやすいので、専用のケースや衣類などで保護してから入れるようにしましょう。
機内に持ち込む場合は、以下の条件を満たす必要があります。
- リチウム金属電池は、リチウム含有量が2ℊ以下のもの
- リチウムイオン電池のワット時定格量が160Wh以下のもの
予備電池
予備電池は電池の種類によって持ち込める条件が変わります。
アルカリ電池やマンガン電池、ニッケル水素電池、ニッカド電池は預け手荷物、機内持ち込み手荷物の両方、持ち込み可能です。
しかし、リチウム電池、リチウムイオン電池は預け手荷物に含めることは禁止されています。
リチウム電池、リチウムイオン電池を機内に持ち込む条件は以下の通りです。
- リチウム金属電池は、リチウム含有量が2ℊ以下のもの
- リチウムイオン電池のワット時定格量が160Wh以下のもの
予備電池を機内に持ち込む際は、ショート防止のためケースや袋に収納したり、絶縁テープで端末を保護してください。
ワイヤレスイヤホンと充電ケース
ワイヤレスイヤホンと充電ケースは電源をオフにできないので、預け入れできません。
機内持ち込みは可能です。
電子タバコ
電子タバコは預け入れできませんが、機内持ち込みは可能です。
機内で電子タバコや充電バッテリーの使用は禁止されています。
誤作動防止のために個別の袋に入れて保護しましょう。
リキッドタイプは機内で漏れないように、密閉した袋の中に入れてください。
100㎖以上の容器に入っている場合は、100㎖以下の容器に移し替えて、透明なジッパー付きのプラスチック袋に入れてください。詳しくは下記の「国際線では液体物の持ち込みに注意」を参考にしてください。
喫煙用ライター、安全マッチ類
喫煙用ライターと安全マッチ類は、預け入れは不可で、機内持ち込みは条件付きで可能です。
機内持ち込みの条件は、以下のライター、マッチ類から持ち込める個数が「1人1個まで」です。
- ガスライター(使い捨て、ガス充填式)
- オイルライター(吸収材入りのもの)
- 安全マッチ(小型のもの)
注意点は、詰め替え用のガスやオイルは、預け手荷物・機内持ち込み手荷物のどちらも含めてはいけない点です。
航空会社や国によっては、持ち込みできないライターもありますので、事前に確認しましょう。
消毒用アルコール、除菌製品
預け入れ、機内持ち込みどちらも可能ですが、条件があります。
消毒用アルコール、除菌製品の持ち込み条件は以下の通りです。
- 1容器あたりの容量が0.5㎏または0.5ℓ以下
- 1人あたり2㎏または2ℓ以下
- アルコール度数が70%以下のもの
除菌製品を使用するとき腐食性物質(亜塩素酸ナトリウム)が発生するものは、預け入れ、機内持ち込みともに禁止です。
(例)クレベリン(置き型、スティックタイプ、フックタイプなど)および、その類似品
刃物や工具類
刃物や工具類は機内持ち込み禁止です。
預け手荷物には入れてもOKですが、大きすぎると没収される可能性もありますので、航空会社に確認しましょう。
国際線では液体物の持ち込みに注意
国際線の液体物の持ち込みは、国内線と異なる制限があります。
預け手荷物と機内持ち込み手荷物で制限が違いますので、それぞれ解説していきます。
預け手荷物に液体物を含めるときの制限
預け手荷物に液体物を含めるときは以下の制限があります。
- 1容器あたり0.5ℓ以下
- 液体物全体の合計が2ℓまで
荷物を下ろすときの衝撃や飛行機の揺れで中身がこぼれる場合があります。
ジッパー付きの袋に入れたり、服やタオルで保護したりなど、しっかり対策しましょう。
機内持ち込み手荷物に液体物を含めるときの制限
機内持ち込み手荷物に液体物を含めるときは以下の制限があります。
- 100㎖を超える容器に入ったものは持ち込み不可
- 100㎖を超える容器に100㎖以下の液体物が入っていても不可
100㎖以下の液体物を持ち込む場合も制限があります。
- 容量1ℓ以下でジッパー付きの透明プラスチック袋に入れる
- 透明プラスチック袋の縦横合計は40㎝以内にする(縦20㎝以下×横20㎝以下)
- 透明プラスチック袋に入れていない液体物は持ち込み不可
- 1人当たりの袋は1つのみとする(透明プラスチック袋は検査員に提示する)
ルールが細かいですが、上記の制限を守ることで機内持ち込み手荷物として持って行くことができます。
液体物は化粧水、歯磨き粉、シャンプー、リンスなどのほか、味噌、漬け物、ヨーグルト、ゼリー、缶詰などの食品も含まれます。
医薬品、ベビーミルク、ベビーフード、特別な制限食
医薬品、ベビーミルク、ベビーフード、特別な制限食は、機内で必要な容量のみ持ち込み可能です。
持ち込む際は検査員に申告してください。
ベビーミルク、ベビーフードについては、乳幼児と一緒に搭乗する場合のみ持ち込み可能です。
医薬品や特別な制限食については、検査員に処方箋の写しや診断書、薬が入っている袋などの提示が求められるので、事前に準備しましょう。
海外に行く場合、英文などの渡航先の言語で書かれた医師の診断書等を用意する必要があります。
自分の病気や症状、服用している医薬品の説明が書かれた文書を準備すると、検査員に聞かれたときに提示できます。
国ごとのルールをホームページで見たり、
航空会社に確認することが大事なのニャ!
免税店で購入した液体物は持ち込める?
免税店で購入した100㎖を超える飲み物や化粧品などの液体物は、機内に持ち込める場合もあります。
持ち込む際は、以下の条件が必要です。
- STEBs(不正開封防止袋)という国際的に決められた特別な密閉袋に入れて、保安検査を受けるまで開封しないこと
- 購入時のレシートを提示すること
ただし、STEBsが導入されていない国や、乗り継ぎをする国によっては、手荷物検査で没収される可能性がありますので、利用する航空会社に確認を取るようにしましょう。
※市中にある消費税免税店で購入した液体物は、量的制限の対象になるので、預け手荷物に含めることになります。
制限されている荷物が見つかった場合の対応
制限されている荷物が見つかった場合の対応は、以下のようになります。
チェックインカウンターや空港のロッカーに預けることもできますが、出発までに時間がないときは放棄されますので注意してください。
ロッカーに預けるときは料金の支払いや預かり期間の制限があります。
荷物の重さや高さ、形状によっては預けることができず、放棄することもありますので注意が必要です。
まとめ
今回は国際線の飛行機に持ち込みできるものとできないものや、注意が必要な荷物について解説してきました。
機内持ち込みルールは、国際情勢等により随時変更される可能性がありますので、最新情報を確認することが大事です。
大事な荷物を放棄されることがないようにルールを確認して、保安検査をスムーズに行えるようにしましょう!
以上、マロンでしたニャ!